侮る事なかれ。

ONE OF １２８７。９９６型ＧＴ２が入庫いたしました。いつしか”Widow maker.”(未亡人製造機）と呼ばれる

ようになった。ターボをベースに４輪駆動システムの排除しＲＲレイアウトとしているＧＴ２は、ＧＴ３やＧＴ４のようにレース出場を目的にレギュレーションに添うような開発とは違い、制限無くポルシェの技術の粋を集めた純粋に速さを求めたスペシャルモデルである。

近年の９１１のように電子デバイスを用いいて総合的に車体をコントロールする機能をほとんど持っておらず、そのパワーと徹底的に軽量化されたボディ（１００kg減）により強烈なパフォーマンスを発揮する。

その乗り手を選ぶ獰猛さが、いつしか”Widow maker.”(未亡人製造機）と呼ばれる理由となった。

実際に試乗した感想は、とにかく軽い！現車はPCCB装着車であり、通常のブレーキシステムよりも重量が半分であり

バネ下重量は１６.６kgも軽くなっている事から走り始めから軽やかである。大きく口の開いたフロントバンパーやターボボディ、そしてリアウィングからは想像もできないほどライトウェイトマシンとなっている。

ターボ車特有の低速トルクの無さは感じられず比較的スムーズに加速していく。正直４５００rpmまではこれが未亡人製造機？と言えるほど乗りやすく優しい印象。

しかし、ＧＴ２本来の領域であるそれ以上の回転数となると…

その瞬間バケモノと化す…

久しぶりに手に汗を握るほどの緊張感が走った。これ以上踏むと怖いと…

最近では９９１型ＧＴ３ＲＳに乗る機会があり、その時の感じた速さの中に安心感があるイメージは微塵もなかった。

まさに獰猛。

おそらくサーキットでもそれ相応のテクニックが無いと乗りこなすのが難しいのでは無いかと思うフィーリングだった。

ただし、人間というものは面白い生き物。怖いが刺激になり乗り終えたあとは、楽しさに変わってしまっている。

かなり中毒性の高い９１１では無いかと思う。

明日も天気が良く気温が高ければ乗りたいな…